がんの治療後のリンパ浮腫を治療するために知っておきたい4種類の方法

リンパ浮腫には体を温めるのが効果的?

リンパ浮腫には体を温めるのが効果的?リンパ浮腫とはがん治療などの後遺症として発症するリンパのうっ滞による部分的なむくみのことを言います。
がん治療による患部周辺のリンパ切除手術や抗がん剤の影響はリンパの流れを寸断し、リンパ浮腫の大きな要因となっています。
症状の進行によっては蜂窩織炎(ほうかしきえん)象皮症(ぞうひしょう)などの合併所を引き起こし、重度の障害をもたらすこともあります。
早期発見、早期治療が重要視されますが、初期段階において自覚症状がないことと単なるむくみと軽視しがちなことはその後の展開にとってマイナス要素です。
そのため、兆候が現れてから対処するというよりは、可能性があるなら準備しておくという心構えの方が、高い予防効果とその後の治療を容易にしてくれるでしょう。
切除されたリンパが回復するまで数週間を要すると言われています。
温かい環境が人間の身体の自然治癒力を促進させることは言うまでもありません。
直接的な影響力は実証されていませんが、体を温めることは二次的に、リンパ浮腫の予防と症状の進行を抑えるための効果的役割を果たします。

 

温めることによる代謝力のアップ

基本的に恒温動物である人間の身体は温かい環境を好む傾向にあります。
地球温暖化は大きな問題ですが寒いよりはほどほどに暖かい方が動きやすく心も溌剌とします。
暖かいと代謝機能が向上し心身が活性化されるからです。
打撲や骨折などの炎症、あるいは激しい運動後、筋肉の極度の緊張を除いて、ほどほどに温めることがさまざまな疾患や傷の治療に効果を発揮しています。
温めることで体温が上昇し、代謝機能がアップし、血流が促進されあらゆる部位が活性化されます。
軽度のリンパ浮腫に対しても遠隔的に効果を発揮し症状の改善につながることがあります。

 

リンパ浮腫のメカニズム

リンパ節の切除によって流れの滞ったリンパ液は停滞し、うっ積していきます。
それに伴いリンパ管が太くなり本来逆流を防止するためにあったリンパ管内の弁が開いた状態になってしまいます。
弁の開いたリンパ管はそのままでは逆流を防ぐことはできないためリンパ液は重力に従わざるを得ない状態になります。
その結果、ますますリンパ液がうっ滞していき、リンパ管が太くなります。
やがてリンパ管から漏れ出たリンパ液がリンパ漏(ろう)やリンパ嚢胞(のうほう)蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの重度の合併症を引き起こし、患部の除去切断などという最悪の事態を招くこともあります。
がん治療の副作用だから仕方のないこと、などという一言では決して片付けることのできない問題です。
リンパ浮腫の発症の予防に努めることはもちろん、早期発見、早期治療は必須課題と言えます。

 

リンパ浮腫の治療は周辺機能への刺激

リンパ浮腫の治療は主に症状に応じた対症療法、包帯や弾圧ストッキングによる加圧とリンパドレナージとの併用によって施されます。
つまり患部周辺筋肉を刺激し血流を促進させ、滞ったリンパの流れと新しいリンパの再生を促すことが目的であり、冷え切った環境でやるよりは暖かい環境で施す方がより効果的と言えます。
リンパの流れを良くするために開発されたリンパヨガなどは、ホットヨガと呼ばれる室温39℃のスタジオで行われます。
短時間でより良い効果を得るための処置と言えます。
二次的にせよリンパ浮腫の治療に対して身体を温めることも同様です。
症状が軽度の段階においては、むしろ必要条件のひとつといっても過言ではありません。

 

温めることは禁忌事項?

リンパ浮腫の症状によっては体を温めない方が効果的な場合もあります。
すでに内部組織が破壊され、リンパ漏やリンパ嚢胞、あるいは蜂窩織炎などのように患部が熱を持ち炎症を起こしている場合には却って逆効果となります。
同時にリンパドレナージや弾性ストッキングの使用も中止しなければなりません。
外皮への直接的な刺激もご法度です。
炎症や帯熱の沈静化を待ち、医師へ相談し適切な対処をすることが必要です。
理学療法士の国家試験においてホットパックという温熱療法が適切でない病気はどれかという問いが出されたことがあります。
答えはリンパ浮腫です。
そのような理由により、一般認識としてリンパ浮腫に対して温めるという行為は間違った治療法ということになります。

しかしながら、炎症の場合を除き、適度な温度上昇が機能の回復を促すことは自明の理。
体を温めることがリンパ浮腫の機能回復の一助となることは間違いありません。
がん治療においても、温熱療法が施されることがあります。
期待通りの効果が得られなかったがために下火になりつつありますが、温熱療法を信望する方も決して少なくはありません。
治療効果に心理的側面も影響することは事実、二次的効果であれ少なからぬ影響を及ぼす限りはプラス要因として捉えておく方が無難です。
リンパ浮腫の治療に対して体を温めることは、症状が炎症段階にまで進行していない限り、効果的と言っても差し支えありません。

 

手術か保存療法による治療

難病として、かつては大掛かりな手術が行われていたリンパ浮腫ですが、近年では手軽に手術し、完治に近い状態まで回復させる手術法も施されるようになってきました。
けれども、まだまだ歴史は浅くマッサージなどによる保存療法が主体となっています。
今後、リンパ浮腫の治療がどのように展開していくかはわかりませんが、医師や理学療法士の適切な指示に従いながら丁寧な治療に努めることが第一です。

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