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リンパ浮腫で弾性着衣を使用する際の注意点

リンパは血液と同じようなもので、体の中をゆっくりと流れているものです。
リンパ液はリンパ管という管の中を流れていますが、なんらかの原因で流れが悪くなってしまうと、リンパ液が停滞をして浮腫を引き起こします。
浮腫というのは簡単に言うとむくみのようなもので、誰にでも起こる症状です。
健康な人でも浮腫は起こりますが、特に深刻な状態になりやすいのが癌の治療などで手術をした後に起こるものです。
こういった時には弾性着衣を使った治療法がとられることがありますが、この治療にはいくつかの注意点があります。

 

個人に合わせた治療が行いにくい

弾性着衣というのは体に一定の圧をかけてリンパの流れを良くする作用のある衣類です。リンパ液は血液と違って、拍動して体の中を巡るという仕組みにはなっていません。そのため、流れも穏やかで自然な流れで体の中を流れています。

しかし、そういった特徴があるということで重力の影響を受けやすくリンパの流れは血液以上に滞りがちになってしまいます。そのため外から圧力をかけていくことで、流れを促しリンパの停滞をなくすという目的の治療法です。この時に使用される衣類は市販品がほとんどで、どうしてもサイズを合わせることが難しいという問題が生じてきます。

通常の衣類であれば、サイズを大きくするといった対策がとれますが、そうするとこの衣類の特徴である圧をかけるという作用が軽減してしまいます。サイズが大き過ぎると、体に適切な圧をかけられず着用している意味がなくなってしまうからです。反対に小さすぎると圧が強くなり過ぎて、痛みがでてしまったり、皮膚のトラブルが起きやすくなるでしょう。既製品のサイズが体に合っていればこういった問題は解消できますが、体重が増減した時や浮腫の増減でも適切なサイズには違いがでるので、やはりサイズ選びが難しいという問題は残ってしまいます。

 

根本的な治療にはならないので長く続ける必要がある

またリンパ浮腫の治療の中で、圧を変える衣類を着用するというのは、一時的に効果を出すことができても、病気そのものの治療にはなりません。着用している時は、リンパの流れを完全に良くさせられますが、着用をやめてしまうと症状が再発してしまいます。そのため、この治療を行っているだけでは、いつまで経っても根本的な治療にはならず、長い期間にわたって着用を続けなくてはいけません。

同じ部位に圧迫を続けることで皮膚トラブルが起こりやすくなりますし、精神的な苦痛もあるでしょう。また暑い季節などは着用することで、生活に支障をきたすという可能性もあります。そして治療を始めた頃は効果が出やすく、治療をしていることが大きなメリットになりますが、中には途中から効果が薄れてきてしまう人もいます。体が圧をかけている状態に慣れてしまったりすると、同じような治療を続けても以前のような効果が出にくくなってしまい苦痛ばかりが大きくなります。

またリンパ浮腫は癌の手術をした後にすぐにあらわれるのではなく、数年の時間をかけてから症状が出始めることもあります。どちらの場合もなるべく早めに治療を開始することが大切ですが、そのためには症状がひどくなっていないかのチェックをすることも必要です。

一時的に圧をかけるという治療を行っているだけでは根本的な治療にならないために、症状が悪化してしまうという危険もあります。そういった時には、浮腫が起きている原因にアプローチするような治療法も検討してみましょう。

 

他の治療法も検討してみると選択肢が増える

長く着衣を続けるのが辛いという人や、着衣をつけていても効果が出にくくなったという人には根本的治療である手術をおすすめします。いま唯一の根本的治療だと言われているのは最新型VASERというシステムを使った方法です。VASER超音波リンパ浮腫根治術は漏れ出ているリンパ液と脂肪を吸引して、浮腫を取り除く治療法です。さらに漏れ出ている部分を圧迫固定することで、その後のリンパ液の漏出を予防します。

この方法では、いま起きている浮腫をとれるだけでなく、今後も浮腫が起きにくくなるような治療も同時に行うことができるので再発予防にもなります。また、手術とはいえ2~3時間で済みますし、日帰りで行うことができるという手軽さも魅力です。弾性着衣を使った治療法では長い時間着衣をつける必要がありますし、どれだけ長く続けても病気そのものを良くすることができません。そういったことから考えても、いずれは根本的な治療を検討していく必要があるでしょう。

 

癌の治療後にあらわれるリンパの浮腫はそれ自体が命に関わることはありませんが、毎日の生活の中で苦痛の大きな病気です。着衣を用いて圧をかける治療法は効果を出すまでにサイズの合うものを探したり、皮膚のトラブルの予防をしたりといった手間がかかる方法です。もしも、根本的な治療を行いたいと思った場合には手術をすることも視野に入れてみましょう。着衣を続けていても一時的に症状をなくす効果しかありませんが、手術をすれば根本的な治療を行うことができます。