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リンパ浮腫ができてしまった時に使用される弾性着衣の種類は?


リンパ浮腫の治療法として、患部に圧力を加えてリンパ液が溜まらないようにする方法が一般的です。
リンパ液が溜まらないように、体に装着するストッキングやスリーブの事を、弾性着衣といいます。
むくみが起こる場所によって、いくつかの弾性着衣を使い分けます。

 

リンパ管のつまりによる腕や脚のむくみ

リンパ液が腕や脚にたまってむくみが起きる場合、腕や脚の付け根にあるリンパ管が、何らかの障害によって、流れが悪くなっています。がん治療の外科手術などで、腕や脚の付け根のリンパ管を切除してしまったときなどに起こりやすいです。体中をめぐる血液は、太い血管から毛細血管に枝分かれして、全身に栄養を運んだあと、静脈やリンパ管を通って、心臓に戻ります。

この時、ほとんどの水分は静脈を通り、たんぱく質などが含まれた、濃度の高い液がリンパ管を通ります。
リンパ液の流れが悪くなると、この濃度の高い液が溜まってしまい、周りの水分を引き寄せることでむくみが起こります。むくみを解消するためには、この溜まったリンパ液を、リンパ管が詰まっているところから、外に出さなくてはいけません。

治療法として、一般的な方法は、まず患部を上にあげることです。患部を上にする治療は、主に寝ている時に行います。腕のむくみなら、腕が付け根より上になるようにします。脚のむくみなら、脚が付け根より上になるようにします。起きている時は、患部に圧力を加えて、リンパ液が溜まらないようにします。

腕のむくみなら、弾性スリーブを身に着けます。脚のむくみなら、弾性ストッキングを身に着けます。
起きている間は、腕や脚が付け根よりも下になるので、放っておくとリンパ液がどんどん溜まってしまいます。
そのため弾性ストッキングや弾性スリーブは朝起きたらすぐに身に着けるようにします。起きてから時間がたっていると、弾性着衣をつけてもすでにリンパ液が溜まった後で、むくみを防ぐことができません。

 

弾性ストッキングと弾性スリーブ

寝ている時に行う治療と、起きている時に行う治療では、どちらが重要なのでしょうか。
これは圧倒的に、起きている時の治療の方が重要になります。寝ている時よりも起きている時の方が、腕や脚が付け根よりも下にある状態になります。その分リンパ液が腕や脚にたまりやすくなります。また、一般的に人は寝ている時間よりも起きている時間の方が長いためです。

起きている間の、弾性ストッキングや弾性スリーブを使う治療法は、むくみを治すために一番重要となります。脚のむくみを取るために、身に着けるのは弾性ストッキングです。弾性ストッキングは弾力性を持った特殊なストッキングで、これを履いて足を締め付けることによって、脚にリンパ液が溜まるのを防ぎます。

足の関節部分の締め付けが一番強く、脚の付け根に向かって、段階的に締め付けが緩くなるように作られています。これによってリンパ液が心臓に戻るのを助け、脚のむくみが起こらないようにします。パンティストッキング型のウエストまであるものと、脚の付け根まであるもの、膝までの長さのものなどがあります。足先は開いているものと、閉じているものがあります。医師と相談したうえで、症状に合わせてどの形の弾性ストッキングを選ぶか、決めることになります。

腕のむくみがあるときは、弾性スリーブを身に着けます。弾性スリーブは手首から腕の付け根までがあるものと、手の甲まで覆われていて指先だけが出ているものがあります。作業時に指先が出ていないと不便なため、指先は外に出るようになっています。

 

弾性着衣を身に着けるときの注意点

弾性ストッキングや弾性スリーブを身に着けるときは、着脱方法について医師から指導を受ける必要があります。つけ方が間違っていると、リンパ液が溜まるのを防げない場合があるからです。弾性ストッキングや弾性スリーブはつけ方に慣れるまでは簡単につけることができません。

例えば脚のむくみがあったとして、脚の付け根のリンパ管が詰まっているとします。脚にたまったリンパ液を付け根から出したいのですが、このとき弾性ストッキングが脚の付け根に食い込んでいる状態だと、ますますリンパ液が通りづらくなってしまうのです。むくんでいる部分は締め付けて、リンパ管が詰まっている部分には食い込ませないようにしないといけません。

弾性ストッキングや弾性スリーブを自宅に持ち帰ったが、正しい着け方が覚えられずに、結局付けなくなってしまう患者さんもいます。つけ方が難しくてわからないときは、医師や看護師からよく説明を聞いて、正しい着け方を覚える必要があります。弾性ストッキングはズボンやロングスカートを着用すれば、隠すことができます。普通のストッキングと色が違ったり、厚みが違うということで、違和感を覚えるかもしれませんが、見た目はあまり目立たなくて済みます。

弾性スリーブは、リンパ液が溜まらないようにするには、本当は指の先まで覆った方がいいのですが、昼間に仕事や家事などで手を使う作業が多いため、不便にならないように手首から先が出ているものが多いです。
腕のむくみの解消のために、弾性スリーブをつけるとき、あまり圧力の強いものを身に着けると、覆われていない手の甲などにリンパ液が溜まってむくんでしまうことがあります。弾性スリーブを身に着けるときは、圧力が弱いものを選ぶ方が良いです。

 

リンパ浮腫はリンパ管のつまりにより、溜まったリンパ液が腕や脚の付け根から出られなくなって起こります。溜まったリンパ液を心臓に戻すためには、圧力のある弾性ストッキングや弾性スリーブを身に着けることが治療になります。弾性ストッキングや弾性スリーブを身に着けるにはコツが必要なので、医師や看護師からの指導が必要になります。