がんの治療後のリンパ浮腫を治療するために知っておきたい4種類の方法

リンパ浮腫は遺伝する?

リンパ浮腫は遺伝する?

がん治療の副作用として現れることの多いリンパ浮腫ですが、それ以外に原因を特定できない発症事例も少なくありません。
2009年の厚生労働省の調査によると3600名のリンパ浮腫患者が、がん治療とはまったく関係のない要因による発症例として報告されています。
この原因不明のリンパ浮腫は遺伝的要素によるものと考えられ、一次性リンパ浮腫、あるいは原発性リンパ浮腫と呼ばれています。
10万人に対して3名という決して多くはない数値のため研究や治療法の確立が進まず難病指定されています。
遺伝的要素の高い一次性リンパ浮腫に対して、がん治療などの副作用によるリンパ浮腫を二次性リンパ浮腫と呼びます。
二次性リンパ浮腫ははっきりとした原因があり、患者数も多いため予防や治療の情報交換が盛んに行われています。
しかしながら、リンパ浮腫という疾患はリンパの損傷や何らかのトラブルが原因のため再発の可能性が高いことが特徴です。
一次性、二次性問わず、完治させるというよりは対症療法的な治療を施し、上手に付き合って予防に努めるという傾向にあります。

 

一次性リンパ浮腫の発症時期による分類

遺伝的要素が高いと言われつつも発症の原因は不明とされる一次性リンパ浮腫は未だ研究解明途上、根本的な原因も明確な治療法も確立されてはいません。
これまでの検査データに基づいて発症時期により先天性、早発性、晩発性の3つに分類することができます。

① 先天性リンパ浮腫(ミルロイ病)
赤ちゃんは比較的むくんだ状態で産まれてくるのでリンパ浮腫の診断は困難を極めるのですが、左右対称でない部位が認められたらリンパ浮腫の可能性を否定できません。
赤ちゃんが立って歩くようになると重力によるリンパへの負担が増し、症状が顕著に表れます。
このような生まれつきからの発症を先天性リンパ浮腫、あるいはミルロイ病と呼びます。
染色体遺伝により発症すると考えられていますがはっきりとしたことはわかっていません。

② 早発性リンパ浮腫
35歳までに発症するリンパ浮腫を早発性リンパ浮腫と呼びます。
一次性リンパ浮腫患者のほとんどがこの分類に入ります。
特に女性の方に多く、初潮を迎えてからの急激な成長、妊娠に伴う体重増加がリンパに負担を掛けることによって発症すると考えられています。

③ 晩発性リンパ浮腫
35歳以上に発症する場合を晩発性リンパ浮腫、あるいは遅発性リンパ浮腫と言います。
一次性リンパ浮腫の中でも発症事例は少なく原因を特定することの難しい疾患のひとつです。
事例データから考えられるのは、同一家族内に多い遺伝的要素と膠原病などによる後発的なリンパ障害などが推測されます。

 

一次性リンパ浮腫の診断と特性

染色体異常による遺伝的要素が強いため、同一家族内に発症事例が見受けられたら互いの情報交換などの対処ができることは心強い限りです。
しかしながら、突然発症することも多く誘因を特定できないため発症に気付かないまま重症化するケースも少なくありません。

〇特性
◆9割近くが膝から下を中心とした下肢に発症し、皮膚皮下の膨張や疼痛などを認めます。
◆発症に伴い尿検査や血液検査、X線、MRIなどの検査が行われ、外傷や手術痕、放射線などの二次性リンパ浮腫の可能性を除外することによって、一次性リンパ浮腫と診断されます。
◆慢性的に進行するため時間の経過と共にリンパ漏や皮膚潰瘍、蜂窩織炎などの合併症を発症することもあります。
◆また、皮膚感染症や硬化することによる象皮症、皮膚がこわばることによって関節拘縮が進み機能障害に陥ることもあります。
◆いずれも二次性リンパ浮腫と同様ではありますが、下肢に発症することが多いため日常生活への影響はより大きいと言えます。

 

一次性リンパ浮腫の付き合い方・治療

◆リンパ浮腫に対する根本的な治療法は確立されていないため、保存療法と予防、対症療法が主となります。
◆むくみがひどい場合や疼痛のある場合など患部を挙上し安静に過ごすことが大切です。
◆リンパドレナージや弾性ストッキングの着用など、圧迫や刺激は時と場合によりけりです。
◆間違った方法は逆効果となるので必ず医師の指示を仰いでからやりましょう。

 

先天性リンパ浮腫について

一次性リンパ浮腫のなかでもとりわけ重要なのが乳幼児の先天性リンパ浮腫です。
10万人に3人のうちの皿に低い確率の発症事例が「うちの子だけが・・・・・・」という悲観につながったり、ご両親が自責の念に駆られたりすることが少なくありません。
生まれ持った才能がそれぞれ違うのは当たり前のことであり、さまざまな病気や障害もまたひとつの才能とも言えます。

〇上手く付き合おう
リンパ浮腫は難病指定されているため周囲の理解を得ることは難しくありません。
生まれ持った才能を生かし、育むのは大人の役割であり周囲の暖かい眼差しです。
リンパ浮腫は上手に付き合うことで日常生活を難なくこなせる病気です。
ほんの少し動きがおそくなることはあってもたどり着けない場所はありません。
親に「危ないから自転車には乗せない」と言われた先天性リンパ浮腫のお子さんが、自分で自転車に乗る練習をしてスイスイと乗れるようになったという事例もあります。
お子様の可能性を委縮させない配慮が必要です。
病気と向き合い上手に付き合うことで、できない事は何ひとつありません。

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