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リンパ浮腫は体のどこにできる?

人間の体の中には、静脈と動脈のほかにリンパ管という管があります。動脈を流れて全身に栄養を運んだ血液は、水分のほとんどが静脈を流れて心臓に戻ります。タンパクや白血球などを含んだリンパ液はリンパ管を通って心臓に戻ります。何らかの影響で、このリンパ管が詰まってしまい、リンパ液の流れが悪くなった箇所に起こるむくみの事を、リンパ浮腫と呼びます。

 

 

リンパ液のむくみによる症状とは

リンパ管は全身の皮膚のすぐ下に、網目状に張り巡らされています。がん治療などの外科手術でリンパ管を切除してしまったときなどに、リンパ液は流れが悪くなり、一部分にたまってしまいます。また、原因不明のまま突然リンパ管が詰まってしまうこともあります。リンパ管のつまりによっておこるむくみは、軽いものであれば自己管理をしながら普段通りの生活を送ることができます。

重症化すると腕や脚が膨れあがり、日常生活に支障をきたすようになります。治りにくい病気なので、地道な治療が必要です。早い時期に治療すれば、それだけ治療の成果が出やすいので、異常を感じたら直ちに医師の診察を受けることが重要になります。重い荷物を持ったり、立ちっぱなしでいたり、ずっと同じ体勢で長時間作業をするなど、体に負担を与えるようなことをすると、むくみが悪化する原因になります。

症状は、早期のうちは自覚症状がないため、むくみに気が付かないことがあります。リンパ液が溜まって、皮膚に厚みが増すと、皮膚の上から見えていた血管が見えなくなって、皮膚が白っぽくなったように見えます。また、皮膚をつまんだ時にしわが寄りにくくなります。

軽度から中程度の症状は、むくみが蓄積され続けて、むくみが発生する前よりも、見るからに腕や脚が太くなります。腕や脚が重く感じられ、疲れやすくなります。むくんだところを指で押すと後が残る場合があります。重症化したときの症状は、皮膚が乾燥して固くなり、体毛が濃くなります。関節が曲がりにくくなり、動かしたときに違和感を覚えるようになります。

保存的治療と外科的治療について

治療法は保存的治療と外科的治療の二種類あります。保存的治療は患部に圧力を加えてむくみを改善する方法です。弾性ストッキングや弾性スリーブを着用し、リンパ液が一か所にとどまらないようにするのです。また、寝ている時は普段下に下がっている部分にリンパ液が溜まりやすいので、腕や脚を付け根よりも上にあげて、リンパ液の溜まりを改善します。リンパ液の流れをよくするリンパドレナージというマッサージを受けたり、むくみが起きたことにより傷つきやすくなった皮膚を保護するため、スキンケアに努めます。

外科的治療はリンパ液の詰まっている部分の流れを、手術で回復させます。リンパ管と静脈をつないでリンパ液の通り道を作るバイパス手術や、健康なリンパ管を他から持ってきて移植する手術。むくみの部分には脂肪組織が発生してより一層腕や脚を太くしてしまうために、脂肪吸引手術を受けることもあります。しかし手術してもすぐに元の細さに戻るわけではないようです。手術後も地道な保存的治療を続けることによって、徐々に症状が改善し、完治する場合もあるということです。

女性に多い病気で、患者の9割は女性です。むくみによる日常生活の不便さもありますが、腕や脚が膨れ上がるなど、外見が大きく変わってしまう病気なので、精神的に打撃を受けてしまう方が多くいらっしゃいます。リンパ液によるむくみは痛みを生じないとされていますが、悪化すると痛みを感じることもあります。

菌の感染によって蜂窩織炎という炎症を引き起こすこともあり、炎症をくりかえした患部は悪化して重症化するため、むくみがある場合は衛生面に気を配らないといけません。蜂窩織炎の菌はちょっとした傷や虫刺されから入り込みます。炎症が起きてそれが腕や脚の全体へと広がっていきます。むくみの起きた部分は皮膚が白っぽくなりますが、炎症が起きると赤黒く変色します。赤く見えるのは、炎症が起きた部分は血管が膨れ上がるからです。血管が炎症で膨れ上がると、血液中の水分が漏れ出てしまうようになり、ますますむくみがひどくなります。

むくみが起こりやすいのは体のどの部分か

むくみの起こり方は人によりますが、腕や脚に出現することが多いです。がん治療の後遺症でむくみが起こりやすいのは、乳がんの治療では腕、婦人科や泌尿器の癌では脚に出やすいです。それぞれ手術で腕や脚の付け根のリンパ管を切り取ってしまうからです。腕のむくみは肘の上下に出やすく、徐々に範囲が広がります。

足のむくみは下腹部、陰部、太ももの付け根のあたりからむくみが始まって、だんだん脚全体に広がっていきます。多くの人は片足がむくみますが、両足に症状が出る人もいます。がんの治療をした人全員に出るわけではありません。むくみが起こる時期も、人によってバラバラです。治療後すぐに出る人もいれば、10年たってからむくみが出る人もいます。

 

何らかの影響でリンパ管が詰まって、リンパ液によるむくみが生じる病気をリンパ浮腫といいます。リンパ浮腫は治療の難しい病気で、早期に治療を開始するほど効果が出ます。治療法は保存的治療と外科的治療の二種類あります。菌の感染により炎症を起こすと悪化するので注意が必要です。むくみが起こりやすい体の部分は、腕や脚です。