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リンパ浮腫の手術ではメスを使う?痛みは?

リンパ浮腫の手術ではメスを使う?痛みは?

 

リンパ浮腫という疾病はご存知でしょうか?

リンパ浮腫は誰にでも起こる可能性がある病気で、決して珍しいものではありません。
主に卵巣がんや子宮がん、泌尿器系のがんや皮膚がんが原因と言われており、これらの手術の後遺症とも言われています。
リンパ浮腫の手術と聞かれて、どういった手術か想像できる人は少ないでしょう。
たかが浮腫みで?と思ってしまうかもしれませんが、このリンパ浮腫は症状が悪化してしまうと歩行困難や物を握ったり字を書いたりと言った行為ができにくくなり、日常生活を送るうえで支障をきたしてしまうのです。

 

このリンパ浮腫ですが、手術をして症状を和らげることもできます。
では、一体どういった内容の手術なのでしょうか。

 

手術方法は大きく2つに分かれます

リンパ浮腫の手術内容は大きく2つに分かれます。
まず1つ目は手術以外の保存方法というもので、複合的理学療法とも呼ばれています。
もう1つは外科的治療です。 外科的手術を行う理由として、保存方法では十分な効果を得ることが出来なかった、あるいは蜂窩織炎を繰り返し起こる場合には外科的治療に切り替えます。

 

〇外科的治療
この外科的治療ですが、今現在では2つの手術方法があります。

◆リンパ誘導手術

まず1つ目はリンパ誘導手術です。
従来行われてきた手術内容と言えば、リンパ誘導手術に浮腫組織切除術、切除誘導術に脂肪吸引と言った4つの方法があります。
その中にトンプソン手術というものがあります。
リンパは浅層と深層の2つに分かれます。
筋膜より下を深層といい、深層にあるリンパ管のことを深リンパ管と言います。
トンプソン手術とは流れが悪くなっている浅層の流れを深層に巻き込むために浮腫組織を大きく切って筋膜を切ってそこに入れ込む大掛かりな手術を行います。
この手術は太ももからふくらはぎにかけて切るため大きな傷跡が残ります。

また、関節が拘縮して運動機能に支障が出ることもあります。
更に傷が大きい為リンパ液が漏れだしてしまうリンパ漏といった合併症のリスクも高くなります。
以前はこの手術以外にもリンパ管移植術やリンパ管移行術、リンパ節移行術といった方法もありましたが、手術の難易度が高いことから現在ではほとんど行われていません。

◆リンパ管静脈吻合手術

次にリンパ管静脈吻合手術というものがあります。
リンパ浮腫を起こしている部分に静脈とリンパ管をつなぎ合わせ、リンパ液を静脈に流すようにする手術です。
超マイクロサージャリーという方法で顕微鏡を使いながら行っていく手術です。
この超マイクロサージャリーを使用することで、細かな血管を縫い合わせることも可能になったのです。

最近ではMRIや蛍光リンパ造影といった技術があり、手術前にリンパ管の状態や流れを把握することが出来るようになったことで、この制度の高い手術を可能にしているのです。
手術前にリンパの状態がきちんと把握できるように弾性ストッキングでしっかりと浮腫んだ部分の排出を促します。
手術に掛かる時間は4時間から6時間、入院期間はおよそ1週間です。
この手術のメリットとして、リンパ誘導手術のような大きな傷跡は残らず、比較的小さいため現在行われているリンパ手術のほとんどはこのリンパ管静脈吻合手術です。

 

この2つの手術は患部を切開するため、メスを使用します。
手術中は当然麻酔を使用しているため、手術自体は痛みはありません。
しかし、手術後麻酔が切れると痛みが現れますので、しばらくは抗生物質と痛み止めを併用した生活になるでしょう。
痛みのレベルですが大きく切り開くリンパ誘導手術の方が痛みは強く現れます。
しばらくは日常生活を送るうえでも支障をきたす可能性も高いです。

一方でリンパ管静脈吻合手術は傷跡が小さい為痛みの回復は早いのですが、状態によっては再手術を行う事もあります。
それでも術後すぐに再び手術をするわけではないため、日常生活に早く戻れるというメリットもあります。

 

術後激しい運動やお酒は控えましょう

これはどんな手術をした人にも共通する事ですが、手術をした後しばらくは傷がまだ完全に塞がっている状態ではありません。
また患部を衛生的に保たないと感染症になってしまい、余計に回復が遅くなってしまいます。
感染の原因となる入浴は医師の許可が出るまでは控え、患部をぬらさないように工夫してシャワー程度にしましょう。

◆厳禁◆

もちろん激しい運動は厳禁です。
汗で患部が湿ってしまい細菌が繁殖します。
アルコールも血行がよくなり患部が炎症してしまうので厳禁です。
タバコも許可が出るまで禁止です。
術後しばらくは感染症や炎症を防ぐために様々な制限がかけられてしまいます。
これらの事を守らないと傷が悪化して再度入院若しくは回復までに人よりも長い時間を要するため日常生活へ戻る時間も長くなってしまいます。

また、術後しばらくは痛みがありますが、抗生物質と痛み止めをしっかり服用し、それでも耐えられないような激しい痛みがあった場合、すぐに医療機関を受診しましょう。