がんの治療後のリンパ浮腫を治療するために知っておきたい4種類の方法

リンパの流れをよくする漢方ってある?

リンパの流れをよくする漢方ってある?

リンパとは身体中を巡るリンパ管とリンパ管を流れるリンパ液、さらにリンパ管の要所としてのリンパ節の総称であり、東洋思想に基づく自然界の「気」や「水」の流れのような役割を担うものです。

「リンパが滞る」ということが体内の「気の停滞」であり「水の流れ」が滞っている状態です。
円滑な「リンパの流れ」がすべてをスムーズに運び「気」を充実させていることは紛れもないことです。
東洋医学は西洋医学と異なり、立証データをもとにひとつの病に対してひとつの薬という考え方ではありません。
病に対する患者の在り方に着目し、さまざまな観点から漢方薬を処方し治療に努めます。
病は人によって異なるものであり、バランスの歪みが引きよせてしまうものであるという考え方です。
湿潤な気候の、変化に富んだ自然に育まれてきた東洋思想、それに基づく漢方医学は「流れる」ということをもっとも大切にするリンパと切っても切れない縁があると言えます。

 

リンパの役割

〇リンパとは
リンパ管とその中を流れるリンパ液、リンパ管のターミナル駅のような役割のリンパ節の総称です。

〇リンパ液とは
血管からにじみ出た透明もしくは薄黄色の油性の液体、健常時には身体中の老廃物や異物を運搬し細菌やウイルスの侵入をチェックします。
そして、各部位のリンパ節において排出する役割を担います。

〇リンパが滞るとかリンパの流れが悪いということ
◆リンパ節にリンパ液が停滞し老廃物や異物が溜まっている状態を指します。
◆つまり、代謝機能と免疫機能が低下している状態になります。
◆外見上、むくみが生じることもしばしばで、疲れが溜まったり病気にかかりやすくなったりします。
◆リンパの流れを良くするということは、むくみを解消し基本的な身体の機能を取り戻すということです。

 

漢方の考え方

東洋医学では、人それぞれの体質や気質について「証」という言葉を用います。

〇「証」を構成する主要素は
「気」「血」「水」「精」と呼ばれるもので、それぞれの過不足と全体のバランスによって現在の心身状態を把握します。
四要素がバランスよく淀みなく流れることが健常な状態を意味し、いずれか、あるいは複数要素の過不足が流れを歪ませ滞らせることが病気の引き金となります。
すなわち、「気」の不足を気虚(ききょ)、多く停滞してしまっている状態を気滞(きたい)、「血」の不足を血虚(けっきょ)、停滞を血瘀(けつお)、「水」の不足を陰虚(いんきょ)、停滞を湿痰(しったん)「精」の不足が陽虚(ようきょ)、精の停滞を湿熱(しつねつ)と呼び、それぞれの証に応じた漢方処方を行います。

リンパが滞り、むくみが生じている場合は「湿熱」と「湿痰」のいずれか、あるいは複合的状態と考えられます。

 

リンパに有効な漢方処方

漢方がリンパの流れにどのような影響を与えるかと疑問符を投げかける方もいまだに少なくありません。
けれども、証による処方の在り方からも見てとれるように、漢方こそリンパの流れの改善にもっとも適していると言えます。
リンパの流れが滞りむくみが生じている状態の証は「湿痰」と「湿熱」が基本となります。

〇「湿痰」とは
余分な水分が体内に滞っている状態を指します。
湿った身体は重々しく代謝機能が低下し、身体も冷え切っています。
◆有効な漢方薬は「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」、あるいは「補気健中湯(ほきけんちゅうとう)」が考えられます。
前者は炎症を抑え下肢のリンパの流れを円滑にする効果があり、後者は気を補い代謝機能を活性化させるはたらきがあります。

◆また、「湿熱」は水分過多と体内の炎症を指し、余分な熱が充満している状態です。
炎症によりリンパの流れが滞りむくみが生じます。
炎症を鎮静化させ流れをスムーズにするために「防風痛聖散(ぼうふうつうしょうさん)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などなどが用いられます。
それぞれメタボ体質の方や子宮筋腫の方にも非常に有効とされる漢方薬です。

 

厚生労働省によるむくみの漢方薬

厚生労働省では一般用漢方製剤承認基準を設け、症状による漢方処方を定義づけています。
むくみに関しては「暴風痛聖散(ぼうふうつうしょうさん)」をはじめ「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」「六味地黄丸料(ろくみじおうがんりょう)」など多数あります。
いずれも精通した漢方医の処方のもと服用することが大切です。

 

間違った処方は症状悪化に

症状に基づく漢方処方はあくまでも基準に過ぎません。
人として生まれた以上、それぞれに異なった経験をして、複雑な思考や感情を育ませていきます。
複雑な証が絡み合っているのが現実での生活です。
西洋医学東洋医学問わず治療にはカウンセリングによる効果も侮れません。
1錠で完治する薬剤や、さまざまな証の絡み合った漢方薬を処方できるに越したことはありませんが、「毒と薬は紙一重」と言う言葉があります。
ひとつ間違うと症状の悪化を招くことも忘れてはいけません。
また、日常におけるリンパの流れを良くするための生活習慣の見直しも並行して行うことが大切です。

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