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リンパ浮腫にも効く?弾性ストッキングとは?

リンパ浮腫にも効く?弾性ストッキングとは?

リンパ浮腫がん治療の後遺症として広く知られ、完治の難しい難病と言われています。
その治療法は未だ研究開発の途上にあり、治すというよりはうまく付き合っていくという、さまざまなケアを中心とした対症療法が一般的です。
かつては大掛かりな手術が行われたこともありましたが限定的効果と大きなリスクとのギャップのため、敬遠されるようになった歴史があります。
近年、手軽な切除や吸引の手術が行われ一定の効果を上げているとの報告もありますが、長期にわたる経過観察とケアが必要なことは変わりません。
そのため、これまでの保存療法をいっそう充実させる治療法を選択する方もいます。
そのひとつとして注目を浴びているのが弾性ストッキングです。

 

リンパ浮腫と弾性ストッキング

保存療法の目的は、予防と根本的な改善です。
弾性ストッキングは着圧することにより血流を改善し足のむくみを予防する効果があることで知られています。
◆そのため、下肢の外科手術後、運動不足の解消やエコノミークラス症候群の予防改善のために用いられることが多くあります。
◆弾性ストッキングの適度な圧力は筋肉によるポンプ作用を強くし、血液やリンパ液が滞ることを防ぎます。
◆リンパ浮腫の予防や治療においても実践されることが多く、リンパドレナージマッサージとの併用により驚くほどの効果を発揮しています。

 

弾性ストッキングの種類

弾性ストッキングにもさまざまな種類があり、その病気や症状に応じて使い分けることが必要です。
着脱の容易さに応じた形状の違いからもっとも使用されることの多いのがハイソックスタイプであり、ストッキングタイプパンストタイプと続きます。
また、病状に応じて加圧力を選択できるということも覚えておかなければなりません。
弾性ストッキングはドラッグストアなどで一般的に市販されていますが病状によっては適さない場合もあるので注意が必要です。

 

弾性ストッキングの形状による違い

一般的に使用されることの多いのが膝下までのハイソックスタイプです。

〇特徴
◆これは足先からふくらはぎにかけての加圧を目的としています。
なぜならば、ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるほど血流の交錯している部位であり、静脈血栓のできやすい場所だからです。
◆特殊な場合を除いてほとんどの弾性ストッキングはふくらはぎに加圧することを目的としています。
したがって、むくみ解消のためと銘打った加圧ソックスもふくらはぎまで届かないことには効果は期待できません。
末端の締め付けにつながり却って血流を損なう可能性さえあるので注意が必要です。
レギンスタイプなどは言語道断、血流の寸断につながります。
◆また、深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキングには血流確認のためのモニターホールが付いていることもあります。
深刻な治療や予防に対しては必ず医師への相談が必要です。

 

弾性ストッキングの圧迫圧による違い

弾性ストッキングには病気の種類や症状の進行状況に応じてさまざまな選択肢があります。
加圧の適合しない弾性ストッキングが却って症状の悪化をまねくことも少なくありません。
すでに何らかの疾患の兆候が見られる場合、医師への相談を怠ることなく処方される適切な弾性ストッキングを使用しなければなりません。

① 市販されている弾性ストッキング
ドラッグストアなどで市販されている弾性ストッキングの圧迫圧は15mmHgであり、かなりの低加圧と言えます。
医療用とは一線を画し、治療用というよりは日常的な予防効果を期待して購入される方がほとんどです。
飛行機や鉄道での長距離移動を余儀なくされる方や長時間のデスクワークに携わっている方々などエコノミークラス症候群の予防策のひとつとして用いられます。

② リンパ浮腫の治療用弾性ストッキング
リンパ浮腫の治療や予防に用いられる弾性ストッキングの圧迫圧は通常が30~40mmHg、重度リンパ浮腫になると50mmHgの弾性ストッキングを使用することになります。
もちろん、一般的に市販されているわけではないので医師の処方のもと症状と治療段階に応じた弾性ストッキングが選択されます。
リンパドレナージマッサージと並行しての着用が大きな治療効果を上げています。

 

弾性ストッキング使用時の注意点

弾性ストッキングは正しく使うことで驚くほどの治療効果を発揮します。
しかしながら、禁忌事項も多く、間違った使い方が症状の悪化を招いた事例が多く報告されています。
◆何らかの疾患の予防や治療に用いる場合には必ず医師の指示に従うことが大前提です。
◆リンパ浮腫の進行した蜂窩織炎(ほうかしきえん)や動脈血行障害、糖尿病などもともと血流に何らかの問題を抱えている方の使用は避けるべきです。
◆また、皮膚が乾燥気味の方は皮膚トラブルの元となりますので着用には十分な注意が必要です。
◆着用時の注意点として、シワになったり丸まったりしないよう履くことが大切です。
◆シワはそのまま皮膚に痕跡を残し、色素沈着する可能性もあります。
◆弾性ストッキングは禁忌事項をしっかりと認識したうえで適した圧迫圧のものを使いこなしていく必要があります。