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リンパ浮腫は手術で治る?

リンパ浮腫は手術で治る?がん治療の後遺症として高い発症率を誇るリンパ浮腫は、完治することのない難病として治療は対症療法が主とされてきました。
少数実績ではありますが、リンパ誘導術や浮腫組織切除術、切除誘導術などの手術も行われ効果を得た事例もあります。
しかしながら、効果は限定的で不確実であり、手術の難易度も高いため医師にも敬遠されるようになりました。
そのため、症状に応じた保存療法が奨励される傾向が高まったとも言えます。
ここ数年、がん治療の進化を例とするまでもなく医学は飛躍的に進歩しています。
リンパ浮腫の治療は多様化し、レーザーやITを駆使した手術の方法も施されるようになりました。
日帰り手術さえ可能になったのです。
もはや、リンパ浮腫は難病ではなくなりつつあります。

 

リンパ浮腫の手術法

リンパ浮腫の手術にはさまざまな方法が試みられてきましたが、これまでは大掛かりで難易度の高い手術が多いわりに効果が期待できないなどのリスクがありました。
歴史的に行われてきた手術法としてリンパ誘導手術や切除誘導術、脂肪吸引術、そして浮腫組織切除術などがあります。
その代表的な手術法がトンプソン手術ですが大きなリスクが障壁となり普及には至らず、現在は行われなくなりました。
そのような状況にありながら近年、施術回数が増加しているのがVAZER超音波リンパ浮腫根治術やLVA(リンパ管静脈吻合術)、リンパ節移植術です。
未だ研究段階であることは否めませんが、女優の古村比呂さんがリンパ浮腫を完治させたというLVAや日帰り手術も可能なVAZERなどは施術件数を大きく伸ばしています。
それぞれの新しい手術法が実績を積み重ねつつあり、施術可能な病院も増えてきました。

① トンプソン手術
過去に施された大掛かりな手術の代表格がトンプソン手術です。
この手術法は、皮下の浅いところにあるリンパ系を深いところのリンパ系に巻き込むために脂肪を大きく切り取り筋膜まで切り開かなければなりません。
そのため、広範な切開を必要とし手術崑が酷いこと、さらに筋膜の損傷による運動能力の低下、リンパ液の漏れるリンパ漏の可能性を否定できないことなどから敬遠されるようになりました。

② LVA(リンパ管静脈吻合術)
古村比呂さんの手術によりすっかり有名になった感のあるLVAですが、長期にわたる経過観察が十分でないため懐疑的な見方をする医師もいます。
LVAとは、患部のリンパ管を静脈に縫合することで滞ったリンパの流れを心臓方向へ戻すという手術法です。
保険適用であること、切開部分が小さく手術時間も短いことが大きなメリットとなります。
症状が軽度の段階で手術に踏み切るに越したことはありませんが、重度の症状が劇的に改善されたという事例も少なくありません。
手術の難易度は高いのですが普及は広がっています。
ただし、根治されるわけではないので術後の保存療法を継続しなければならないことを特記しておきます。

③ リンパ節移植術
リンパ浮腫を患った部位のリンパ節を取り除き、健常なリンパ節を移植する手術法をリンパ節移植術と言います。
リンパ節とリンパ管を丸ごと移植するため、すでにリンパとしての機能を失った重度のリンパ浮腫においても機能回復が見込めるメリットがあります。
比較的新しい手術法であり研究対象の側面もあることから、一部の大学病院でしか手術を受けられないデメリットがあります。
また、全身麻酔を必要とし入院期間も10日ほどとなるため、患者負担は決して軽いとは言えません。

④ VAZER超音波リンパ根治術
完治不能と言われるリンパ浮腫治療において現時点でもっとも完治に近い効果をあげているのがVAZER超音波リンパ根治術です。
この手術法は、VASERと呼ばれる脂肪吸引システムにより浮腫の完全なる吸引を行い、リンパ浮腫の症状の根絶と将来的な再発をも防ぐ手術法です。
リンパ浮腫によって漏れ出たリンパ液は脂肪層に貯まり浮腫となります。
それらを理想的に吸引するために開発されたのがVASERです。
VASERにより浮腫が吸引されるとリンパ管周囲は線維化され急速に圧迫されます。
周囲からの圧迫固定によりリンパ管の欠損は補われ修復されます。
そして、健全なリンパ機能が回復されるのです。
患部のリンパ機能が回復され、周囲にリンパ液の漏れを貯め込むような組織がなくなるということは再発のリスクを大きく軽減させます。
現時点で術後4年間再発の報告がないことは信頼するに足る実績と言えます。
また、LVA手術やリンパ節移植術を受けた後でも施術可能なこと、日帰り手術さえ可能な点は大きなメリットです。
唯一のデメリットは、施術できる施設が少ないということ、施術に高い技術を必要とすることです。

 

術後の経過観察は大切

医学の進歩は目覚ましいものがあり、かつての大掛かりな手術が日帰りできるまでに短縮されることは当たり前になってきました。
難病と言われるリンパ浮腫の手術の進化はその代表的な例と言えます。
けれども、短期入院と短時間の手術によって得られた時間は、多忙な生活の中に再び消費されてしまう可能性もあります。
再発のリスクが著しく軽減されたとしても、術後の経過観察とケアを続けていくことが大切です。